おいしさのひみつ

深い色香と味の良さ 狭山茶

cha狭山茶は、茶の経済的北限地帯に近い場所で、栽培されており、じっくりと成長するため、深い味わいが特徴です。
「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と「狭山茶作り歌」で歌われているように、「味の狭山茶」として広く親しまれています。特に、「狭山火入れ」と呼ばれるじっくり時間をかけた火入れを行う古くからの仕上げ方法により、甘く濃厚な味を楽しむことができます。
また、狭山茶は、農家自らが栽培から加工、販売まで一貫して行う「自園自製自販方式」が主流となっています。

狭山茶の歴史

DSC_3258今から約1200年前、遣唐使として中国に渡った僧が茶を持ち帰ったのが我が国の茶の始まりとされています。その後、平安時代から鎌倉時代にかけて、各地の寺院の境内で茶の栽培がはじまったといわれています。
埼玉県内でも川越の中院・喜多院や、ときがわ町の慈光寺など、当時有力な大寺院の境内で茶の栽培が始まりました。
本格的に茶業として始まったのは、江戸時代後期、狭山丘陵北麓の吉川温恭(現・入間市宮寺)、村野盛政(現・東京都瑞穂町)らによって、宇治から蒸し製煎茶の製法が導入され、生産の拡大が図られました。当時は現在のような茶園ではなく、冬の季節風を防いだり、畑と畑の間を区切るために植えられたとか。茶の出荷先は主に江戸でしたが、安政の開港以後生糸とともに日本を代表する輸出品として横浜から出荷した記録が残っています。
明治に入って日高市出身の高林謙三により、手もみ製茶の非効率性を打開するため、製茶機械が発明され製茶業として発展してきました。

入間市博物館HP「狭山茶」へのリンク